退職金で蕎麦屋を始めようとする父にアドバイスをください

豚の呼吸・伍ノ型!

「干天の慈肉(かんてんのじにく)」!

みんな元気してた?

おじさん、もしコロナになったとしても戦い抜く体力を作るために毎日「豚の呼吸」を極める修行に明け暮れてたよ。

明け暮れまくった結果、無事に「豚柱」になることができたんだけど、修行に明け暮れてる間に起こった株式市場の記録的下落に大ダメージを受けてしまって再起不能よ。

おかげで日輪刀から連絡係のカラス、服に至るまで思い当たるもの全て質に入れてしまったんで丸裸の鬼殺隊やるしかないんよ。

刀を持ってない豚柱なんてただの呼吸の荒い豚やからね。

当然、そんな姿で人に仇なす鬼探しなんてしてたもんだから渋谷の109前で職質受けて今は留置所から皆さんの相談に乗ってるってワケ!

誰か退職金で開いた蕎麦屋の蕎麦でも差し入れしてよ!

というわけで今回のお悩み相談はこちら!

退職金で蕎麦屋を始めようとする父にアドバイスをください

相談者:30代 男性 会社員

今度定年する父が退職金をつかって田舎で蕎麦屋を始めると言い始めました。
そんなに簡単なことではないと思うのですが、父はやる気満々でです。
しかし、話を聞いてみると楽観的で事業計画なんて立ててないような感じです。
興を削ぐようなことはしたくないのですが、大切な退職金を使うということもあり心配でなんて言っていいのかわかりません。
こんな時にどんな言葉をかけてあげれば良いでしょうか?

難しいお悩み相談きたね〜。
やる気に満ち溢れてるいるお父さんの気持ちを考えると、言葉が詰まってしまうよね。
このお悩み相談に対して、おじさんが選んだ回答者はこの方です!

蕎麦屋 経営者
Soichiさん
@pourquoi1225

畑違いの世界から蕎麦屋の3代目になりましたが不完全燃焼でお店に入った反動で山にのめり込み商売より山を優先する毎日。北アルプスで雪崩に遭い吹雪の山中でビバーク。九死に一生を得る体験から当時お世話になった信州の農家さんへのご恩返しと生産者を大切にする蕎麦屋のあり方を通し今に至ります。

お店のホームページ
源氏蕎麦

大阪難波で昭和4年創業の老舗蕎麦屋「源氏蕎麦」を経営されているSoichi さんです。
「蕎麦屋を経営したい」って質問に対して的確なアドバイスしてくれる方はやっぱり実際に経営している方に聞くのが1番じゃないかと思うんよね。さっそく回答を見てみよう。

Soichiさんの回答

お父様が定年を迎え第二の人生に蕎麦屋さんをしようと決心されたことはまだまだご自分の人生をしっかり見つめておられるのだと思います。
その決心に私からの異論はございません。
お子さんとしてもそこは素晴らしい決断だとお父様に言ってあげても良いのでは無いでしょうか。

あなたがお父様の事を心配しているのは退職金を使ってしまう事なのでしょうか?

それとも具体的な計画も無く、場当たり的に蕎麦屋さんをすると決意された事を危惧されての事でしょうか?

退職金はお父様の半生の対価、お父様の自由に使われたら良いかと思います。

ここからは蕎麦屋を営んでいる私の意見です。

サラリーマンを辞めた後、飲食店をされる方の中で蕎麦屋をやりたい方はインテリの方が多いです。
本当に儲けを考えるならラーメン屋かうどん屋を考えますが少しプライドがおありの方だと何故だか大体蕎麦屋さんに憧れます。

私はそば打ち教室や調理学校で教えたりもしますがちょっと頑張れば直ぐに打てるようになります。
打った蕎麦を家やご近所さんに配って美味しいと喜んでもらう。
生徒さんは自信を持ち自分も蕎麦屋ができるのじゃないか、と思ってしまいます。最初の勘違いです。

蕎麦が打てたら蕎麦屋が出来るのでしょうか?
私は出汁の方が数倍難しいと感じています。

玄蕎麦の品種も産地も勉強しなければいけない事はたくさんあります。
私どものお店は昭和4年創業、今年で90年の古いお店です。
レシピはあるのですがその時代に合わせて変化させなければお客様に飽きられ取り残されます。

お料理の中で蕎麦料理は懐石の末端に座す日本料理です。
そこに歴史の深さもあり難しさも持ち合わせています。
ネガティブなことばかり書きましたが申し訳ありません。

会社を辞めてそば打ち教室で蕎麦が打てるようになって最初の勘違いで蕎麦屋になるのが夢になり退職金を注ぎ込んで立派なお店を建て開店した途端燃え尽きてしまう人を沢山見てきました。
びっくりするくらい沢山です。

逆に何の計算もせず淡々と蕎麦屋を営んでおられる方もおられます。
でもそれは居眠り運転をして事故に遭わなかったのと同じで運が良かっただけなのです。

私はお父様の決心は素晴らしいことと思います。
まずこの事を息子さんである貴方からお父様に言ってもらいたいんです。

そしてリスクマネジメントの勉強をした上で、それでも気持ちが変わらなければ、あとは本人の自己責任なので純粋に応援してあげるのが良いと思います。

ビシッと理想と現実についてのアドバイスやったね。

おじさんも肉親だからこそ「その選択だいじょうぶ!?」という心配をしてしまう気持ちはわかるよ。
でもね、もしお父さんが定年後にチャレンジするのが「蕎麦屋」じゃなく「エヴァンゲリヲンのパイロット」だったらどう思う?
お父さんがセレクトしたものが蕎麦屋で良かったって思えるんじゃないかな?

使徒と戦ってるとき、年齢のこともあってオトンゲリヲンは当然劣勢になるよね?そのときプラグから強制射出されたお父さんを見てキミはどう思うんかな?
蕎麦屋のほうが良かったって思うよね。

せっかくのお父さんが持つ「高すぎるエヴァとのシンクロ率」はたしかにもったいないかもしれんよ?
でもゲリヲンで老後2000万円問題を乗り越えていかなきゃならんのはしんどいよね。
そもそもあれってお金出てるのかわからんけど。

そう考えると、蕎麦はいいよね。
長年家族を養うために身を粉にして頑張ってきた人が、定年のタイミングで自分の存在価値が見いだせなくなってしまって急激に老け込んでしまったり、生きる目的を失ってしまう人もいるといわれている中、次にやりたいことがあるってだけでおじさんは素晴らしいことだと思うな。

もちろんビジネス感覚は大事だし、勉強しなければならないことも多いと思うけど、人は何歳になってもチャレンジできるものだと思うし、何歳になっても成長できるんよ。

だからお父さんの新しい門出を笑顔で送り出してあげて。
エヴァのコックピットに。

今回お悩みに回答してくれましたSoichiさんのホームページ
源氏蕎麦 」はグーペで作られています。

あなたもグーペでホームページを作って、
ついでにお悩みなんかにも答えてみませんか?