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【インタビュー】日本画家・三鑰 彩音 〜個展「栖-sumika-」〜

西武渋谷で開催された個展と全館プロモーション をきっかけに、その世界を知った現代日本画を描く 三鑰 彩音(みかぎ あやね) さん。
ホームページを「グーペ」で作成いただいているご縁から、今回のインタビューが実現しました。

お話をうかがったのは東京・銀座にて開催中の個展会場

うかがったのは中日となる平日でしたが、インタビュー中も次から次へとお客さまがいらっしゃいます。
以前より三鑰さんの作品のファンの方、わたしたちと同じく西武渋谷で開催された個展でその世界に魅かれた方、三鑰さんのSNSをきっかけにご来場された方など、様々でした。
作品を間近で見られるこの機会に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

三鑰 彩音 個展 栖-sumika-
・期間:〜2019年6月2日(日)まで【終了】
・時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
・場所:銀座 藤屋画廊
 東京都中央区銀座2-6-5 藤屋ビル2階
※期間中、在廊予定


アウトプットとインプット

会場の「銀座 藤屋画廊」に着くと、ご来場のお客さまとお話しされていた三鑰さん。
「お久しぶりです」と声をかけると、笑顔で迎えてくれました。


— 西武渋谷の個展から、少しはゆっくりできましたか。

三鑰さん 今回の銀座の個展が決まっていたので、休みはなかったですね。ただ、今蓄えていたものをしぼりだしきった感があるので、この後はインプット期間をつくりたいなと思っています。

— どんなふうにインプットを行うのですか。

三鑰さん 旅行が大好きなので、香港・トルコ・ウズベキスタン・岐阜…と国内も海外も行きたいリストがたくさんあるんです。

— 岐阜って意外ですね…?

三鑰さん モザイクが好きなのでタイルミュージアムに行きたいんです。以前からモザイクとかステンドグラスとかに魅かれるんですよね。

三鑰さんの絵のスタイル

— 最初から、ステンドグラスに着目して描きはじめたんですか。

三鑰さん 人物の髪の毛をステンドグラスみたいに〜というのは2015年頃 ですね。抽象画ではじめて描きはじめたのが細胞をモチーフにしたものだったんですけど、それを見た友人が「ステンドグラスみたいだね。」って言ってくれたんです。
「そういえば昔から、ステンドグラスとかガラスに目を引いたり、興味をもつことが多いなあ。」と、自分が描いた絵から再認識したんですよね。

そこからは、自分が興味もったものについて、ただ見るのではなくどう成り立っているのか、よく観察するようになりましたね。アンテナをはって大事にするようになって、それが毎回作品に反映されている感じです。

— いまに至るまでにいろんな道を通ってきたんですね。

三鑰さん 美大を受験した時は人物画が苦手だったので、こんなに描くことになると思っていなかったですしね。受験は水彩絵の具でしたし、いま使っている岩絵具も、最初は思うように描けず試行錯誤でした。いまだになんですけど、その分、可能性があるなと思っていました。

— 描く時は直感ですか。綿密に下書きをするんですか。

三鑰さん 日本画の工程みたいなものがあるんです。小下図を描いて、原寸大の大下図を描いて、和紙が貼ってあるパネルに転写して、転写したものを絵の具で下書きして、線でおこして、そこから色を重ねる、という。

— そんなに工程があるとは知らなかったです。

三鑰さん 工程を省く場合もあるんですけど、一般的なのはそれですね。基本的にはそれにのっとって描いているんですけど、下図は描かずに直接描くケースもありますね。

— ひとつの作品を仕上げるのに、どれくらいの期間がかかるんですか。

三鑰さん 物理的に大きい作品は時間がかかるんですけど、ベコニアの絵は夕方から深夜にかけて描くスケジュールで2ヶ月かかりました。この時は時間がなかったので集中して描いたんですけど、本来は半年かけて描くような大きさなんです。アトリエに泊まりこみで描いていましたね。

テーマは装飾性

— 描く対象が女性や花が多いように思いますが、三鑰さんの中で決めているのですか。

三鑰さん テーマとして「装飾性」というのがひとつあって、その中で髪の毛に着目して、そこにそれを反映できたらなと描きはじめたのがきっかけ ですね。髪の毛に着目したのは美容師を目指していたことが影響しているかもしれません。人物を描きたいというよりは 装飾性をどう表現するか? がきっかけです。

同時進行で抽象的な作品も描いていて、先ほどお話した細胞やステンドグラスをモチーフにした絵がそうなんですけど、そういうのと組み合わせられたらいいなと。

— 実在する人や花をモデルにすることも多いんですか。

三鑰さん 「人」は、誰かをモデルに描くというのではなく、 装飾性を表現するのにフォルムやシルエットを借りている という感じです。

「花」は、モデルにすることはあるんですけど、そのものを描きたくて描いてるというよりは、その花がそこにあることでうまれる空気感も含めて描きたい と思っています。花を見た時、その場所に行った時の感覚の方が重要だったりするので、 花に対する印象を絵で表現している という方が近いですね。

— 「今後描きたい絵」というのも刻々と変わる感じですね。

三鑰さん そうですね。せっかく平面上に 自分を通して描くのであれば、わたしが見る、感じる花を表現したい と思っています。
以前、作品を見た人から「花より花らしいね。」って感想をもらったのがうれしかったです。「花のもつ花々しさ、きらきらした感じが花そのものより感じる。」と言ってくれて、最高の褒め言葉だなあと。

あと、今回展示した花の絵の中では対の作品がある んですけど、それは裏と表の間にあるものを描きたいと思って描いています。

— 西武渋谷では、人物画の対の作品も展示されていましたね。

これは両方の表現がしたくて描いたんですが、対の作品は多いですね。

画材について

— 西武渋谷の個展を見た時に、初めて「岩絵具」というものを知りました。

三鑰さん 「いわえのぐ」と読むんですけど、鉱物を砕いたものが絵の具になっていて、光があたるときらきら反射して見える んです。鉱物なので、同じ色でも粗さによって色の濃淡が変わって、細かいほど光の反射も細かくなって白っぽく、粒が粗いほど光の反射で色が濃くなるんです。

— 扱いも難しそうですね。

鉱物を砕いた粉だけだとくっつかないので、膠(にかわ)という動物のコラーゲンを接着材にするんです。絵皿に絵の具を入れて、膠を入れて、指で混ぜて溶いて、筆でとって描くという、なかなかの作業です。

— 先ほどうかがった「下図を描いて和紙に転写して〜」という工程も考えると気が遠くなりますね。

「和紙に描いている」というと驚かれますね。
一見、日本画に見られないんですけど、割と伝統的なスタンダードな描き方をしている んですよね。それでも表現の仕方がこんなにある というのが伝わればなあと。

日本画の世界に導かれているよう

最後に三鑰さんの子どもの頃のお話をうかがったところ、絵の道へすすんだ意外なお話を聞くことができました。
まるで日本画の世界に導かれているように感じます。


— 小さい頃から絵を描く人になりたかったんですか。

三鑰さん 実家が美容室なので、高校生までは美容師になるつもりだったんです。美術の授業は好きだったんですけど、美術部に入るでもなく、ずっとバスケ部で。

でも、バスケ部を引退した時に、将来がそこに見える感じがして違うことをやってみたいと思ったんですよね。それで、小さい頃から母について美術館に行ったりしていて、絵を描くのが好きだったので美大に行こうと思って、美術の先生に相談に行ったりして。

— 日本画を選択したきっかけは何だったんですか。

美術の先生に「三鑰は根性型だから日本画だ。」と言われたんです。当時は日本画が何かもわからなかったんですけど、その帰りにそのまま学校に行ってパンフレットをもらってきたのがきっかけですね。

6月2日まで開催されている三鑰さんの世界にぜひ

いかがでしたか。個展の詳細は 三鑰さんのホームページ でもお知らせされています。


ぜひ会場でご覧いただきたい思いから、本記事では展示作品の写真は少なめにいたしました。
写真ではお伝えしきれない作品の繊細さ、岩絵具のきらめきなど、この機会にぜひ三鑰さんの世界に訪れてみてください。

なお、今回の個展では、入り口から会場までの間はもちろん、エレベーターの中にも作品が展示されています。
見逃してしまいそうな、このような場所にも。

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