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【グーペホームページ大賞2021】受賞者インタビュー「クリエイター賞」*魚座の2人*さま
『グーペホームページ大賞2021』でクリエイター賞を受賞されたハンドメイド作家の「*魚座の2人*」さま。
トップページのスライドショーの画像が全部かわいくて、興味をそそられます。「作家プロフィール」には作り手としてのメッセージが丁寧に書き綴られていて、作品への好感が増します。ハンドメイド・手作り通販サイト「minne」では作品を公開・販売もされている「*魚座の2人*」さまに、ものづくりのこと、ホームページのことについて伺いました。
創作のきっかけ
創作のきっかけについて教えていただけますか。
「*魚座の2人*」さん 幼稚園の先生が絵のとても上手な方で憧れていて、毎日絵を描いて遊んでいるうち、頭の中に想像したものを形にするというか表現するのが楽しくて、作るということがどんどん好きになっていきました。
母や近所の方に教わって縫い物や編み物をしたり、そのほか、お小遣いやお年玉を貯めて手織り機を買って織り物をしたりしていました。
手仕事が好きなのですね。チンアナゴなど海の生き物をモチーフに選ばれたのは?
「*魚座の2人*」さん 小学生の頃、おじいちゃんと海へ釣りに行ったり、お魚を水族館で見たりと、海に住む生き物がずっと大好きでした。
水族館で初めてチンアナゴを見たとき「可愛い、癒される」とは思ったものの、まだ創作には結びついていませんでした。
羊毛フェルトで作ろうと思ったのは、本当偶然というか。
チンアナゴと羊毛フェルトが合うかも、という直感があったんですか?
「*魚座の2人*」さん いいえまったくなかったです。羊毛フェルトを試しに買ったときは、レシピがついている初めてセットみたいなもので、刺してみたら難しくてレシピどおりにならなくて。そんなとき、簡単そうで、可愛くって、自身で使いたくなるようなものを作りたい!と思い浮かんだのが、チンアナゴでした。
イベント出店で苦労したこと
創作を始めて、作品をどこかに公開するといったことは?
「*魚座の2人*」さん 最初はフリーマーケットや青空市で始めました。まったく誰も立ち寄ってもくれなくって、もうずっと座っているだけでした。
高校生のときはテーマパークのお土産屋さんで働いていたので、接客が全くできないわけじゃなかったのに。
いざ自分ひとりで自分が作ったものを並べて、目の前を通る人に声をかけられるかっていうと、まったく声をかけることができませんでした。
立ち寄りすらしてくれないということは、もしかしたら、自分の作品を可愛いって思っているのはこの世に自分だけかもしれない、と思ってしまうときもありました。
マーケットでちょっと立ち止まってみるっていうのって、お客さん側からすると、少し緊張するかもしれません。
なかなか人が集まってくるきっかけを作るのって難しいですよね。
「*魚座の2人*」さん ハンドメイドに関係があるイベントやデザインフェスタなどに活動の場を移してからは、ディスプレイを変えてみたり、自分から声をかけてみたり、ブースに来てくれた友人にアドバイスを求めたり試行錯誤していました。
当時は、作品のチンアナゴは袋に入れて、テーブルの上に寝かせた状態で販売していて、夫にそれを見せたとき、
『チンアナゴなのにどうして寝てるの? 絶対立てたほうがいい』と言われて、「あ!」となりました。
台に立てた状態でブースに出したら、お客さまが通るときに見てくれるようになって。
夫は単純に思ったことを言っただけでしたが、何がいけないのかをずっと考え続けても分からなかった私には大きな変化でした。
夢のために学ぶこと
いつから今のお仕事をしようと考えてらしたのですか。
「*魚座の2人*」さん 中学生の頃は美術部にいて、好きなことを仕事にしたいと思っていました。
高校生になって、雑貨が好きで雑貨屋さんのデザイナーを目指していたので、そこに就職が強そうなという理由で美大に行きました。
ずっと夢のために、自分が知らないことをもっと学ばなければいけないと思って、進学先もアルバイトも選んでいました。
本当に好きなことを仕事にできたら幸せだけど、そうじゃない人っていっぱいいるんだと思うんですね、世の中には。
自分が好きなこと、ここが自分の将来の仕事に繋がると思い続けることができるって、なかなか難しい。そういった意思の力みたいな源泉について教えていただけますか。
「*魚座の2人*」さん 私も夢を叶えられる人って少ないと思うときもあります。けれども、叶えている人もいますよね。
スポーツ選手には絶対なれないけど、ものづくりが大好きなので、大好きだからなれるし、やればできると思っています。目標に向かって、自分が何をしたらいいのかを一つずつ実行することができれば、ある程度は叶えられるかなと思ったんです。
好きなことと繋がっていたいから、分岐点で仕事を選び、より自分の作品を良くするためのきっかけを自分から作って関わっていくみたいなことをされてるなと思いました。なかなかできそうでできないところなので、すごいと思いました。
自分のペースで頑張り続ける工夫
「*魚座の2人*」さん ありがとうございます。
ただ、他の人気の作家さんを見ると、自分ももっとできるはずなのに、どうしてできないんだと思うことも本当にたくさんあって。
家のことも『お母さん』として頑張りたいこともあるので、ものづくりを仕事にするというのは絶対に叶えるけれど、焦ったり周りと比べたりしないで、環境と自分の体調に合わせて、ちょっとずつ頑張っています。
そして、そういう人(売れている作家さん)がいるってことは、私も絶対できるからっていう風に思うようにしています。
コンセプト『一緒にいたい雑貨』
コンセプト『一緒にいたい雑貨』に関して、想いが詰まっていそうですね。お気持ちや背景を教えてください。
「*魚座の2人*」さん ブローチやアクセサリー、トートバッグなど、広く作品を手がけていきたいので、雑貨屋さんであることを伝えたいと思いました。雑貨屋さんに関しては思い出深いことがあって。
悲しいことがあってとても落ち込んでしまった時期に、一番仲の良かった友人が雑貨屋さんに連れて行ってくれたんです。
ごはんも食べられない寝られない状態だったのに、行ったらもう楽しくて楽しくて、辛いことが全部忘れられたんです。
食べ物と違って、雑貨って生命を維持する上で必要不可欠ではないのに、こんなにも心を動かすことができるんだって思ったときに、私の作品で誰かを癒したり、安心させられたり、元気づけたり、勇気づけたり、していきたいと思いました。
そういう存在をひとことで言うと、『一緒にいたい』かなと。
ホームページは情報を集約する場
ホームページを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
「*魚座の2人*」さん 『*魚座の2人*』のことがわかる場所として「ホームページ」は必要だと考えていました。
ホームページを始める前、TwitterとかminneとかInstagramとか散り散りになった情報をギュッと1個にまとめる場所が欲しいと思っていました。
「グーペ」はminneと同じ会社で安心でしたし、minne作家向けの特別割引があるのを知っていたので、始めやすかったです。
そのときにグーペホームページ大賞について知り、賞をもらえるよう一生懸命やってみよう!という気持ちになりました。
活動する作家さんの情報を集約する場として、すごく素敵に使っていただけていると思いました。
今、minneは販売中心で、SNSはTwitterとInstagramをされているなかで、SNSを含めメディアの使い分けってありますか。
Twitterで最新の状況を伝える
「*魚座の2人*」さん minneは作品を買いたい検討したい方向けに、実際に自分がつけたらどんなかな?と想像しながら買える場所です。
Twitterでは、最新の自分の状況だったり、制作の状況をあげています。わたしは更新や創作の頻度がそんなに高くなく、ホームページとminneだけではリアルタイムで活動中?ちゃんとすぐ発送してくれる?と心配されそうなので、Twitterでリアルタイムを発信するよう心がけています。
リアルタイムの情報はTwitterが一番得意な部分なので、「この人今何してるかな」っていうのには最適かもしれないですね。
ホームページを公開後、変化はありましたか。
「*魚座の2人*」さん はい。アクセス解析を見たら思っていたより見ていただけていたり、「お問い合わせ」から展示会のお誘いをいただいたり。
ホームページを作る理由の一つに、わかりやすくて信頼できるお問い合わせ窓口が欲しい、と思っていたので、良かったです。
一つの営業ツールとしてということですね。ホームページ作るときに、独自ドメインは今の『*魚座の2人*』で取ろうと思っていましたか。
「*魚座の2人*」さん はい。minneの作家活動アドバイザーの和田まおさんの『おはようminneラボ』(※)というYouTubeで、ホームページを持ったほうがいいのかという質問に対して、ドメインについて詳しく説明してくださっている回を拝見して。
そのときは、ドメインが何か分かっていなくて、それをきっかけに調べて、ドメインってあったほうがいいなって思っていました。
今後の展望
創作について今後の展望をお聞かせください。
「*魚座の2人*」さん 制作に力を入れていきたいのと、ハンドタオルなど雑貨らしいものを自分でデザインしたいです。
ちょっと先の話では、皆さんが今お持ちのお気に入りアイテムに、プラスでワンポイントを入れられるブローチなどのアイテムを提案していきたく、試作する材料を集めています。
お客さまには、お気に入りで使っているものをずっと愛してもらいながら、新しいものを取り入れたときのような新鮮さも味わって欲しいです。それに、ワンポイントのアイテムならお財布にも優しいし、取り外せたらお洗濯のときも便利かもしれないですし。
そうして、『一緒にいたい雑貨』っていう雑貨屋さんなんだなっていうぐらいのボリューム感を出していきたいです。
自分が本当に好きなもので長く使ってるものをオリジナルにすることができて、さらに愛着が湧くものになって、大切にすることにつながる。素敵なアイデアですね。そのうえ価格面でも環境面でも優しい。
「*魚座の2人*」さん SNSでは、YouTubeを始めて、111匹のチンアナゴたちを作って、おうちを水族館みたいにしたいという企画を始めようとしています。
作品のものづくりの過程が見えるし、画像も綺麗ですし、いいですよね。楽しみです。ホームページについての展望もお聞かせください。
「*魚座の2人*」さん お知らせをもう少し頻繁に更新したり、日記機能を活用したりして、ホームページからも「リアルタイムの活動や創作状況」を確認できるようにしたいです。
あとは作品の写真を増やして、『*魚座の2人*』の魅力がギュッと詰まった場所にしていきたいです。
ノミネートされた他の方のホームページを拝見すると、かなり作り込まれてると感じたので、もっと工夫できるよう勉強は続けていきたいと思います。
- 編集後記
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お爺さまとの魚釣りのこと、生き物や作品に対する想いの「原風景」を伺うことができ、作品の理解が深まったように思います。
ものづくりをずっと志して、自分の夢に対して必要なものを積極的に学んできた『*魚座の2人*』さま。
ホームページについても引き続き勉強を続けたいとおっしゃっていました。
ホームページはもちろん見栄えも良いに越したことはないけれど、コンセプトや想いが伝わるものであること、中身が重要だと思います。
今回のクリエイター賞、見栄えだけでなく総合的に判断していて、選ばせていただきました。
今後の創作活動も楽しみにしています。脚注(※) おはよう!minneLAB…ハンドメイド・手作り通販サイト「minne」が運営する、ハンドメイド作家・ブランドのみなさま向けにYouTubeで配信している動画コンテンツ